zintasoのブログ

すきなことをすきなだけかくにっき

更新物。

前篇だけですが、ピクシブに更新しましたー。

サンプルを下に載せますので興味のある方は是非、見ていただけたら嬉しいです。

ちなみに源氏弟兄で現パロです。無理という方はそのまま回れ右してスルーください。

 

【刀剣乱腐】「【腐】ないしょ、ないしょ」/「べこっち」の小説 [pixiv]

 

 

後篇は近々………はい。

 

弟は現在、絶賛ご機嫌斜めである。



ないしょ、ないしょ【前篇】



はじまりは一本の電話からだった。

髭切がリビングにあるソファーでうとうとしていたところ、突如、ぶぶぶと奇怪な音が鳴り響いたのである。
ふわあと大きな欠伸を一つ漏らしながら髭切は音の発生源を探した。
鳴っているのは弟の端末で電話のようだ。
因みに膝丸は今、風呂場掃除の真っ最中である。
呼ぶに行くのには少々、距離があった。
画面を覗くと見知った名前だったので、せめて用件だけでも聞いておこうと髭切は電話に出た。
「もしもし?」
『え、膝丸?』
「僕だよ、髭切」
『えっ、髭切?』
「弟は今、掃除中でね。代わりに僕が出たんだよ。弟に何か用かい?」
『丁度良かった。ちょっと、あんたにお願いがあるんだけど…』
「僕にかい?」
『ああ。あんたにしか頼めない事なんだ』
真剣な声に髭切は目を瞬たかせる。
電話を掛けて来たのは獅子王、弟の同級生であり、兄弟の共通の友人でもある。
さて、獅子王の頼みとは何なのか。
獅子王曰く、膝丸と共通の友人にはお目当ての女子が居る。
その女子も彼に満更でもないご様子なのだが、どうもお互い消極的で未だ、告白にまでは至っていないらしい。
二人が付き合うには何か切っ掛けが必要だった。
そこで思いついたのが合コンである。
二人をそう言う場に引っ張り出してしまえば、いつもよりは話す機会も増える。
そうすれば、少しは進展するのではと考えたのだ。

だが、企画の途中である一つの問題が浮上した。

お目当ての女子が友達と一緒なら合コンに参加すると言い出したのである。
ならばと女友達を誘ったのだがその女子生徒はとある条件を持ちかけたのだ。

膝丸君が来るなら行く、と―。

そう、この女友達、膝丸を狙っていたらしい。
獅子王は頭を抱えた。
膝丸が協力してくれるとは到底、思えなかったからだ。
そして、予想通り、膝丸の返事は「否」であった。

『俺には兄者が居る』

清々しい程、きっぱりと膝丸はそう言い、断ったらしい。
その時は諦めたものの、もう一度だけ聞いてみようと意を決して当日の今、電話を掛けて来たそうな。
膝丸の事だ、兄という恋人が居ながら合コンに参加するなど、言語道断とでも思ったのだろう。
何と言うか、いかにも真面目な弟らしい反応だとしみじみ思う。
だが、獅子王の友人の力になりたいと言う気持ちも判る訳でどうしたらよいものかと髭切は考えた。
「…要は弟を合コンに連れて行ければいいんだよね?」
『ああ。少しの間だけでもいいんだ』
「分かった。じゃあ、僕も合コンに行くよ」